SONG-34【これって芸能界のスカウト?】業界人

SONG-34main-visual-Music-industry-person レコーディング・スタジオのオペレーター室で、音楽制作を監督している音楽プロデューサーの画像。 タイトル 「SONG-34 業界人」 メッセージ 「コネは必要か?」
気軽に近づいちゃいけない世界
「道を歩いていて芸能界にスカウトされたらな」なんて思っているなら
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とっても危険な考えだからやめな、って言うね。

芸能界って怖いとこだよ。近づかない方がいい。

どうして「原宿歩いていてスカウトされて大スター」みたいな シンデレラ・ストーリーをいまだにマスコミは流すんだろう? なんか作為を感じる。変なとこに誘導したいんじゃない?

とても怖い場所だけど、美しい光で虫を集めている「水銀灯」のようだ。

その下には毒水があって、光にぶつかって下に落ちると死んじゃう。みたいな。

Many insects die under mercury lamps.

ボクは今まで、たくさんの業界人に出会った。音楽の世界で活躍したかったからね。最初は何の偏見もなく、業界人と付き合っていた。でもーー

彼らのほとんどはいい加減だったり「いかがわしさ」を抱えていた。だから「音楽業界」とかで成功したいと思ったら、実力でたくさんのファンを持たなきゃだめよ。

ファンがいて、商売になると思ったら「対等な話し合い」ができる。

業界にすがったら・・・

悲惨なことになるよ、骨の髄までしゃぶられてポイ、されると思った方がいい。

ましてや「芸能界でスカウト」なんて話。

A world you shouldn't easily enter

恐ろしくてボクは震えがくる。そんな話に乗った人の末路を考えると・・・

芸能界って、そんな美味しいところではないよ。怖いところだと思った方がいい。

もちろん「表参道歩いていてスカウトされました。大手事務所から華々しくデビューしました」って話もある。本当のこともある。全てが嘘じゃない。

でもね、そんなことは特殊も特殊。本当に稀なことなのよ。

そんなスカウトが来る人は「絶世の美女」だったり 芸能界に入る前から街を歩けば振り返られる。誰が見ても魅力的な人なの。あなたはそうですか? いつも人に振り返られる絶世の美女?

そんな人がたくさんいる訳ないでしょ。

ちょっと美しいぐらいの芸能人は履いて捨てるほどいるんだから。

その程度の人をスカウトする意味ってわかる? その後に怖いことが待ってたり「お金を取られる」ってことだよ。どういうことか説明すると

What do you think will happen If you go there?
What do you think will happen If you go there?

パターンとして多いのが

1 お水の世界に売られる

2 AV出演で裏芸能界デビュー

3 一番多くてソフトランディングなのが「芸能事務所のレッスン生になる」パターン。

ていのいい「金ズルにされる」んですな。

高いレッスン料をしこたまとられる。

で ボイストレーニング、ダンストレーニング、モデル・ウォーク、演技レッスンなんかを受ける。適当なレッスンのところと、ちゃんとやってるところとあるが、デビューに繋がることは無いと思った方がいい。

なのに、プロモーション用のV撮りに写真撮影。これまたバカ高い費用が別途徴収される。レッスンは、だんだん手抜きになったりする。

Wake up feeling good

ハッ、と我に帰って田舎に帰られたりしないように

時々、デパートの屋上やなんかのイベントで、ちょこっと人前に立つバイトが来たりする。すると。

ますます、張り切ってレッスンに精出すようになる。逃がさない。

レッスンや「宣材(売り込みのためのアイテム)」制作のたびにお金が出ていく。

で、気がつくと10年くらい経って

「頑張ったけど芽が出なかったね、残念」

と、青春の記念が出来たことを拍手され送り出される。骨までしゃぶり尽くされて終了、というパターン。

Congratulations on your graduation

4 宝くじに当たるぐらいの「ありえない確率」でシンデレラのように大手芸能事務所が迎えにきて大スターになるパターン。

おとぎ話クラスの確率だから、ほとんどない。ある訳ない。

なぜ「こんなウマい話」があるのかと言えば、こういう話を「エサ」にして、上記のようなことが行われる誘い水にしてるんじゃないか、と思うほどだ。

man with a dark side

「チョロいんだよ。女の子を騙すなんてさ」

という話を 某モデル事務所の悪徳社長から直接 聞いたこともある。

芸の世界で身を立てたければ一芸に秀でるしかない。バイオリンが無茶苦茶うまい、とか。あなたのピアノを「金払ってでも聴きたい」って思わせられるぐらい腕を磨く。

ナーンにも無いのにスカウトされたい。芸能界に入りたい。それは危険地帯に武器を持たずに分け入ることだ。

attacked by a bear

世の中、すごく悪くて怖い人もいっぱいいる。そして、そういう人たちは華やかで美しい世界の周りにいるんだ、ってこと。

今後、ボクの物語が進んでいくにつれて そういうヤバい連中がいっぱい出てくる。

そういうのを読めば この業界が「ヤバい世界」だってことがわかる。

今回はこれ以上掘り下げないけれど、「スカウトされたい」なんて思わない人が増えることを心から願う。人生の汚点、嫌な思い出を残さないためにね。

今回のストーリーに登場する業界人は、そこまで「悪徳じゃない」けれど、「知り合って未来が開ける」業界人でもない。

実は、そういう「なんちゃって業界人」もすごく多いのが音楽業界なんだ。


具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。

ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜

ボクについては プロフィール を見てね

目次

SONG-34 業界人

「倉本」という男から手紙が来た。

ライブハウスで活動していることを うちの女のメンバーがバイト先の店長に話したんだって。

「一度、見に来てくださいよ。チケット買ってください」

そしたら、その店長。ライブハウスに来ずに、スタジオに来た。練習してる所を見たいってね。

変なこと言う人だなぁ、って思ったけど 別に構わないし。

「こちらにどうぞ。腰掛けて見てください」

壊れかけたパイプイスに座らせて。

「ウォーッ」とか「ギャーッ」って、またいつもの練習が始まった。

ザキなんかは、ひとに見られてるもんだから いつも以上に張りきっちゃってね。ウン。

shout

そうしたら 何日かして、その店長が手紙をくれたんだ。

「前略、ぼくは倉本といいます。君たちの練習を見て感動しました。エネルギッシュな・・・」

どうのこうの。アドバイスみたいなことも書いてあって。最後に・・

「ぼくは”スターダスト プロモーション”という芸能プロダクションで、タレントのマネージャーをやっていたことがあり」

なんて書いてある。

「おい ザキ。こんな手紙が来たぞ」

読ませた。

read the letter

「・・・先輩、これ。芸能界のスカウトじゃないですか?」

またザキが都合のいいように空想をふくらませていく。

「そうかなぁ? ウーン」

「そうですよ。ホラ。一度ゆっくり会って話しましょうって書いてあるじゃないですか」

喫茶店で会うことにした。オレとザキと二人で。

「いやあ、はじめて見てびっくりした。いいねぇ」

倉本が切り出した。

「ミスター スリム カンパニーに似てるなぁ」

「はい。好きなんです。影響されてるっていうか」

オレが答える。

Three men have a meeting at a cafe

ちょこちょこ有名なバンドや大手の芸能事務所の名前を挟んでくる。業界人アピール?

「ゴダイゴの事務所と仕事した時ね、スリムの芝居も手伝ったことがあるんだよ。曲を提供したり、ね」

「えっ? 本当ですか?」

ついにスリムとの糸がつながった気がした。嬉しかった。

「シーナ&ロケッツとか、沖田浩之なんかのマネージャーをやってたんだ」

へー って思った。みんな有名人じゃん。凄いなって。

discussion

「で、倉本さんは 僕たちに何をしてくれるんですか?」

急に隣で座っていたザキが、ズバッと切り出した。

「何をって・・・ブワッハッハ」

倉本は突然の質問に笑い出す。

A man approaches and a man bursts into laughter

前日2人で打ち合わせをしたんだ。

「契約っていうのは、強気、強気でいかないと駄目ですよ。なめられたら終わりですらね。先輩は人がいいから だまされ易いと思うんです。全て ボクに任せて貰えますか?」

その打ち合わせ通り、ザキはマウントを取ろうとしたんだ。

倉本がバッグを開けた。

契約書が出てくるんだろうと思って緊張してたら、スケジュール帳を出して。

「今度、ライブいつ? ・・・あっそう。見に行くよ」

「・・・・・」

A man takes out a notebook from his bag

喫茶店を出て、倉本と別れてから

「結局 あの人、何が言いたかったんですかねぇ?」

ザキの言葉に、オレも首をひねった。

業界人とかそれに関わった人間っていうのはサ、そういう話好きの人間が多いよね。

自分は誰々に関わったとか、有名人の誰をプロデュースしたとかね。後で本人に逢って聞くと

「俺をプロデュースしたって言い廻ってる人間、俺の知ってる限りでも5人はいるぜ」

って苦笑する。

倉本もそんな話がしたかったってことだろ?

A man boasts that he knows famous people

そうそう、1ついいことがあった。

倉本と会ってしばらくして、寝不足で悩んでるオレを彼が食事に連れてってくれたんだ。ごちそうしてくれて。

「カズ、やっぱり”家”が無いっていうのは まずいよ。リーダーのお前がそれじゃあ、グループにだって支障が出るぞ」

家に来いよって。居候しろって言ってくれた。

「倉本さんちって、どこですか?」

「南青山のアパート」

「ひぇー、カッコいい。スゴいとこ住んでますねぇ」

「いやいや。ボロだよ」

本当にボロだった。南青山にもこんなとこあるのかって感じ。

broken down apartment

でも、嬉しかったさ。やっと眠れるって思ったら、ね。

それから倉本は、ボク達のマネージャーになったんだ。

「俺 業界にいたから、いろいろ力になれると思うよ」

って。

期待してたけど、実質的には何もせずに、口で「どーの こーの」評論するのが好きだった、あの人。

その後もいろんな人が、「芸能界の誰々を知ってる」「レコード会社に知り合いがいる」「プロダクションの社長が会いたいって言ってるよ」「有名プロデューサーが育てたいって言ってるよ」

なんて「親切心でコネを紹介」してくれた。色んな人から、色んな話しが舞い込んだ。

でも。

どれも大した話しに発展しなかった。散々振り回されて終わり。

exchange business cards

芸能界のコネなんてね、その程度のモノがほとんど。

期待しちゃダメだ。

実力をつけて、ファンが何千人もいれば、業界人なんて絡ませなくても楽しく音楽ビジネス出来るし、儲かるぐらいファンが増えたら、有名な音楽メーカーの方から頭下げに来るよ。

契約書を持ってね。

だから、誰かにスカウトされないかな、なんて危険でアホなこと考えず、自分の芸を磨いてファンをつけろ。

お金を払っても、キミの芸が見たいって人がいっぱいいれば、協力者はどんどん増えていつの間にか音楽で食えるようになってる。

こっちに力がないと、業界人は騙そうとする。骨までしゃぶろうとしてくる。

そういうヤバい世界なんだよ。

contract
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