SONG-41【バンドで成功する方法/伝説のバンドの作り方】ロックンロール・ジーニアス誕生!

SONG-41main-visual-R&R-Genius カッコいい漫画風タッチのイラスト。皮のジャンパーを着たギタリストが、もう1人のギタリストに耳打ちしている画像。右隣には、リーゼントにサングラスでキメ、ベースを弾くカッコいい女性バンドマン。 タイトル 「80's ドキュメンタリー ライナーノーツ SONG-41」 「ロックンロール・ジーニアス 誕生!」
当時、知る人ぞ知る 伝説のバンドがあった

1980 年代に起こったバンドブーム

それは、当時の「原宿歩行者天国 バンド・ブーム」がルーツになっている。

そこから、全国に「ストリート・バンドブーム」が巻き起こり、その後の「ゆず」などの誕生にも繋がっている。

80年代のバンドブーム は「原宿歩行者天国 バンド・ブーム」が火付け役となった、と言っても過言ではない。

その「原宿歩行者天国 バンド・ブーム」

今では。縦ノリビジュアル・バンドの発祥の地のように言われているが、実は ボクが作った「ロックンロール・ジーニアス」というバンドが始めた路上ライブがブームのルーツだ。

walk on

知る人ぞ知る「ロックンロール・ジーニアス」は、ブレイクしかけて「ある時代の波に飲み込まれ」今では忘れられたバンドになった。

しかし、あの時、あの時代に何が起こったかーー

これから「当時の資料」と併せて語っていきたい。夢を見て、走っているすべての人の参考になるストーリーだと思う。ファンの作り方、オーディションで勝ち抜く方法、音楽プロデューサーとの出会い、栄光から転落しないためには何が必要か、など。

音楽の道以外のことにも共通するノウハウが詰まった「夢を掴む方法のパッケージ」がこれからの展開である。


具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。

ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜

ボクについては プロフィール を見てね

目次

SONG-41 ロックンロール・ジーニアス誕生!

大手の電気屋でアルバイトをしてたの。その頃のボク。

その電気屋の忘年会だか何だかがあった時の話。

「バンドやってるんだって?」

同じバイトの仲間が話しかけてきた。

「俺もやってるんだ。ギター」

「フーン」

そいつ、変な髪形してる奴だなと思って。「変な顔」と思って興味なかった。だから話しかけられても適当に返事をしたんだ。

guitarist silhouette image

「今、俺 バンドが無くって。ちょっと遊びに行っていいかなぁ?」

そいつ、なおも話を続けてくる。

「え? うーん、いいよ別に」

冷たくあしらった。そしたらね、ハシの袋に自分の名前と電話番号を書いて、

「マコト。小川マコトっていうんだ。何かあったら電話して」

って、その袋をボクに渡した。

ボクの連絡先も教えてくれって。ボクのもハシの袋に書かせたんだ。そいつ。

で、そのまま。ボク酔ってたから、貰ったハシの袋 どこかに失くしちゃって。

bag of chopsticks

別に興味なかったし。すっかり忘れてた。

そしたら向こうから かかってきたの。

「もしもし。同じバイトの、マコトだけど」

って。

「ああ・・・」

どうしたの? って感じ。

「ちょっとセッションでもして、遊ばない?」

じゃあ、って。

ボクのバンドの曲をやる話になった。スタジオの練習テープを持って、女のメンバーたちを連れて。新宿のホームに行ったんだ。

station platform

「音、悪いよ」

無茶苦茶な演奏が入っているテープを渡して。マコトは すぐ又、電車に乗って帰ってった。バンドマンなんて みんな貧乏で、カフェでお茶する余裕もないヤツが多いからね。

それを見ていたメンバーが、

「あの人・・変な頭ですね、カズさん」

「だろ? カッコ悪い奴だよ。まぁ、1回遊んでやりゃあ 気も済むだろ」

strange hairstyle

マコトがスタジオに来たのは、それから数日後だった。

最初 入ってきた時、

「うわっ」

って皆が驚いたんだ。

「どうしたの・・・・その髪の毛」

髪の毛が長いの。長髪。長髪のロッカーって雰囲気。

ハハハってマコトが笑って、

「アレはカツラなんだよ。長髪じゃバイト出来ないからね」

「カツラって・・・・普通、毛の無い人が付けるもんでしょう? ブワハハ。逆カツラだ」

トモコって、ひょうきんなメンバーが 大笑いしながら叫んだ。

dog wearing a wig

「そうかあ。変な髪してる奴だと思ってたんだよ。正直、ダッセェーって思ってたんだ」

「うん。よく言われる。他のバンドのオーディション行った時も、ズラ でデモテープ貰って、スタジオには長髪で行って驚かすの。ハハハ」

そういう「ドッキリ」かますのが好きな男だった。

ギター。フライングVなんか持っちゃって。しかも水玉の。

Flying-V Guitar

ランディ・ローズってギタリストが好きだって言ってたね。今日は、そのギタリストの命日だから このギター持って来たって。

マーシャルをセットして。

「ギャイーン」

音がでかい。

セッションして。気に入ったよ。ブっとくて、シンのある音がする。コシがあるっていうか。

もう1人のヒカルってギターはうまいんだけど、リズムを引っ張るタイプじゃ無い。きれいな装飾音で曲を色付けするタイプのギターだ。ジョーペリーとブラッド・ウィットフォード。そんな感じ。

2人は全く違うタイプのギタリストだったけど、マコトが加わることで ヒカルのギターも輝き出した。

マコト と ヒカルのギター。

音が会話するっていうか。「いい音って、こういう音なんだな」って2人のギターを聞いて思ったよ。バンドの音に深みと厚みが増したんだ。地味だったバンドが  見た目だけじゃなく、突然 サウンドも一気に ボクの好きな ロックに変貌した。

そう、マコト はロックを連れてやってきたんだ。

だから合格。

Rock-Guitarist

マコトがギターに入って。ツインギター。

と思ったら

「待った!」

がかかったの。まだパートが無い連中。

「あたしたちも、何かやりたい」

「コーラスは?」

「嫌です!」

イヤ、ってなんだよ。

self-assertion, self-appeal

で、1人はギター。1人はパーカッション。もう1人はサックスって割り振りになった。

強引に入り込む隙間を作ってやったんだ。

ギターの奴は、7万円ぐらいするピンクのギターを買ってきて。熱心に練習を始めた。

男のメンバーがサックス。セルマーってメーカーの、いいサックスを買ってきたよ。

アレ何十万もするんだ

メンバー構成。

ギタリストはそのピンクギターが加わって3人。トリプルギター!!

 

それからベースとキーボード。ドラム、パーカッション、サックスとボーカルが ボク。

もうアマチュアの極致ってやつだよ。やりたい奴らが集まって、やりたいようにやる。劇団とバンド。2つのグループがくっついて、人数も2倍。

総勢9人の「やりたい放題バンドの誕生」だ。

Birth of a large band

表現力のある「音楽素人」と 技術はあるけど「地味めのミュージシャン」

2つの個性が出会い、ビッグ・バン!

その結果が 大人数構成。ビッグバンド のようでありながら、演奏するのはスイング・ジャズ じゃない。ロックだ。

「大丈夫。ドゥービーブラザーズだって七人 バンドだよ。ロックだし、タイコも2人いるし」

マコトがフォローして言った。

情熱とテクニック。両方を持ったメンバーは居なくて、結局 お互いが足りない部分を補い合う形で合体したんだ。

これが その後、「伝説のバンド」になるとはね。当時の 知る人ぞ知る存在に化けるとは・・・ この時には まだ 誰も気づいちゃいない。

ボクが皆に宣言した。

「バンド名は、ロックンロール ジーニアスにする」

rock'n-Roll-Genius

あの鬱屈の子供時代。バカだ、カスだ、クソだという扱いを受けて

「冗談じゃない。オレは才能があるんだ。大人はなんでわかってくれない。学校は、なんでくだらないレッテル貼りをするんだ!」

と、悔しさの塊だった。不当な評価を受けて、でも、自分だけが自分の価値を諦めなかった。ビクビクしながらも心の奥で、信じていた。「オレは凄い人間なんだ」とーー

英語の辞書に書いてあった GENIUS

高校の時、意味を調べて 気に入ったんだ。

ジーニアス。

“天才”か。オレもいつか天才と呼ばれるようなグループを作りたい。会社の名前か、作品かわからないけど、いつか。

自分が納得できる状況が来たら、この名前を使って勝負するんだ。自分が天才だということを証明してやる。

そういう誇りを持った名前だったの。

そう。「ジーニアス」

それは この時、ボクの新しいバンドの名前になったんだ。

band playing on sheet music
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次