Confortable Zone(コンフォタブルゾーン)という言葉を聞いたことがあるだろうか?
もっと言いやすく コンフォートゾーン と言ったりもする。
Confortable とは、快適 という意味の英語で、コンフォタブルゾーン で
「快適な場所」という意味合いだ。
人は、「今いる場所が コンフォタブルゾーン である場合が多い」
そんなことはない。不満がいっぱいだ、と言う人は、じゃあ本気でその場所を抜け出そうとしているだろうか? 大抵の場合は、不満があってもそこに留まっている。ぬるま湯のような場所。それが コンフォタブルゾーン だから。
不思議なのは、一度その場所を確保すると、たとえ「ブラック企業の過酷な労働環境だとしても」そこから抜け出そうとしない。苦しみながらも同じ場所に居続けようとする。
欧米社会には「顔見知りの悪魔と暮らす」という諺もある。
なぜ人は、その場所から抜け出さないのか?
それは 原始の時代の記憶に遡る。
狩猟生活をしていた時代、同じ道を通り、出かけ 同じ景色の場所を通って帰ってきた。そうしなければ、猛獣に襲われ命を落とすからだ。
よーく知っている景色ならば、あの木の影には敵が待ち構えていることが多い、遠回りしよう。とか、あの草に触ると毒があってかぶれる。などの情報がインプットされて安全、安心だ。もし 今まで通ったこともない道を通れば 生きて帰れる保証はない。
だから常に「安全地帯」を作り、その中で生活するのが生き抜く知恵だった。これが、 コンフォタブルゾーン の始まりだ。
その習性は、何万年の時を超えても いまだに我々を支配している。
つまり コンフォタブルゾーン に身を置いていないと人間は落ち着かない。一度作った「安全地帯」を意地でも死守したい。そうやって生きてきた。
ファースト・ペンギン は、チャンスと危険がいっぱい
しかし現代においては、 コンフォタブルゾーン を抜け出す。つまり「挑戦」「冒険」無くして チャンスは掴めない。
ペンギンは、地上ではよちよち歩き。しかし海の中では「空を飛ぶように自由に、優雅に、素早く華麗に」泳ぎ回り イワシやエビなどの餌を捕食し、自分の子供にも餌を持って帰る。
しかし。ペンギンは大勢で海に飛び込む寸前まで来て。誰も飛び込まない。
しばらくの沈黙の後、最初の一匹が飛び込み、自由に泳ぎ回り 餌をたくさん捕食するのを見て、やっと飛び込む。なぜか?
海に飛び込んだ瞬間、アザラシやシャチ、サメなどが待ち構えていて ズタズタに切り裂かれ食べられてしまうかもしれないからだ。だから、誰かが飛び込み、安全なのを見計らうまで、様子見をする。
そして安全が確認された途端、大勢が一気に海に飛び込み餌の取り合いとなる。
つまりペンギンにとっては、海に飛び込む前までが「コンフォタブルゾーン」なのである。
危険を冒して一番最初に飛び込む個体のことを ファースト・ペンギン と呼ぶ。
ファースト・ペンギン は、一見 損な役回りのようだが そうとばかりも言えない。
最初に飛び込む海には、魚が豊富。餌を取り放題なのである。
ビジネス用語では、まさに「ブルーオーシャン」状態。一番最初にいい思いができる。
後に飛び込めば「レッドオーシャン」
みんなで魚を奪い合い、場合によっては1匹も食べられないで終わる。
ファースト・ペンギン は、危険もいっぱいだが、チャンスにもたくさん恵まれるのだ。
勇気を出して、コンフォタブルゾーン を抜け出そう
都会にいる 鳥の群れなどを見ても、電線に大量の鳥が飛んできて 肩を並べてとまっている。そして、最初に地上に降りて餌を食べるのは ほとんどが「若い個体」
好奇心が旺盛で、勇気があるファースト・ペンギンが どんなグループにもいて、コンフォタブルゾーン を打ち破る。
今回のボクの物語では、ファースト・ペンギン になったボクたちが どんな危険に遭い、何を得たかがわかるだろう。参考にしていただいて、より豊かな未来をつくっていただければ幸いだ。
具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。
ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜
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SONG-46 原宿 歩行天バンド
はじめて原宿の 歩行者天国 に乗り込んだ日。
緊張して胃がキリキリした。
ボクたちのスタジオには、エレベーターというものがついていない。4階から階段でふうふう言いながら機材を下ろすの。
大変だよ。汗びっしょりかいて。何往復もして機材を車に積み込む。そうやって。
大量の楽器とアンプ類で、タイヤがぺしゃんこになった車で原宿に着いたんだ。
10時頃着いたんだけど、まだ車がびゅんびゅん走ってる。
「アレ? 今日歩行天やらないのかなあ」
不安になっていると、昼すぎに白バイが何台もやってきて、歩行者天国がはじまったんだ。
「よかった。」
ホッとして、機材を車から降ろしはじめていたらさ、「なんだ、てめえら!!」
「・・・・・」
いきなり白バイに怒鳴られた。
「てめぇらみたいなのがいるから、こっちの仕事が増えるんだ」
あっち行けって。
本当にこういう言い方するんだぜ、下品というか・・ 白バイのフリしたヤバい組織の人かと思ったもの、ホントに。
ホントに。
・・・でも、優しい白バイの人もいて。
「アレ? 君たちバンドやるの? いい機材持ってるねぇ。いやぁ、本官も昔ギターをやってて・・・・」
なんて話で盛り上がって応援された。ちょっとエライ人だ、白バイの リーダーかなんか。
まあ、当時の歩行天は開放的で、多少のことには目をつぶってくれて。ウン。割と自由にやらしてくれたな。
「やったあ。おまわりさんが味方なら、恐いものナシだぜ」
って、ホッとして又 機材をセッティングしていると、
「コラ お前らァ! 誰の店の前だと思ってんだ。商売の邪魔だ、あっち行け」
今度はそばでタコ焼きをやいてたテキ屋のおじさんがスゴんで近づいてくる。
パシャパシャパシャ、って カメラ持ったヤツらがシャッターを切った。あそこらへんはスクープ写真を狙ってる 素人やフリーのカメラマンがうじゃうじゃいた。 面白い事件に発展すればいいのに、みたいな感覚で舌なめずりしてやがるんだ。
パパラッチどもが。
「俺っちの店の前に来んじゃねえよ、タコ」
頬に長い切り傷があって、手にはタコ焼きの千枚通し持ってるでしょう? 刺されるかと思ってさ、ひやひやした。
「ヤバいんじゃないの? やっぱり・・・帰ろうよ」
弱気になるメンバーをなだめて、
「スイマセン、オレたち、今週からここでやらしてもらおうと思って」
高いテキ屋の缶ビールを買ってさ、飲みながら
「迷惑かけないようにやりますんで、駄目ですかね?」
他のメンバーもぞろぞろやってきて。皆でビールを買った。
一気に10本近くビールが売れたら、少しおじさんも柔らかくなったの。
「そうかぁ、本当は困るんだけどな。どういう音楽? ロック? うーん、ちゃんと毎週来れるのか? 毎週来るなら 俺んとこの店の専属バンドにしてやってもいいんだがな」
「はい。そりゃあ もう」
「来たり来なかったりじゃ駄目だぞ」
「わかってます」
店の専属って言ったって、屋台だし、ホコ天だし・・なんて理屈こねたら大変なことになる。
ここは素直にさ、今 味方になってくれそうなものにはしがみつくんだ。溺れないように。
で、認めてもらって。
やっと自分たちの場所。「溜まり場」を確保できたんだ。
「ようし、いよいよだ。おい、みんな 見回してみろよ。客がうじゃうじゃいるじゃないか! 早く演ろうぜ」
いそいそ準備をして。
ところがさ、いざ演奏をはじめてみると ぜんっぜん受けないんだな、これが。それ以前に客が寄って来ない。素通りして行くの。
「アレ? おっかしいな。音が小さいのかな? もっと大きくしてやってみようよ」
ボリューム上げたら、今度は耳をふさぎながら通り過ぎて行くんだもん。もう、どうしようもない。
結局、初日は惨敗だった。
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