説得する、営業する、プレゼンする技術
説得がうまい人がいる。下手な人もいる。その違いは何か?
答えは、相手の望むものを提供できるか否かである。
説得のヘタな人は「自分の話ばかりする」「自分の要求ばかりする」
相手の話を聞かないからウザがられる。
人を説得する2つのコツがある。これがわかると、今までよりずっと交渉がうまくいくようになる。
人を説得する2つのコツ
1 相手の 望むものを提供する。
そのためには、相手が何に対して最もこだわっているか、興味があるかを把握することが重要だ。
大きな会社間の取引なとも、ほとんどこのパターン。
相手の望むものを、お互いの会社が持っているか?
それを、どう魅力的にプレゼン出来るかで取引の成功が決まる。
ヘタな営業は、自分のお願いばかりをする。すがる。相手の好意に甘えようとする。
だから案件が取れない。
この世は、ギブ&テイクだ。
ギブが先だ。
相手に与える物があって、初めて相手は話しを聞く。
自分の要求を話すのは、相手がこっちの持っているものを欲しがってからだ。
2 程よい距離感と熱意
人を説得する技術の2つ目は、熱意だ。こっちがどれだけ本気かを、熱くなり過ぎず、かといって相手の心が離れないように、押したり引いたりしながら気持ちを盛り上げる。
この距離感の測り方は経験が必要なので、何度も人にプレゼンすることで自然に身に付く。うまくなる。だから、人を説得する上で一番大事なことは「相手が、喉から手が出るほど欲しいものを提供する」である。
具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。
ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜
ボクについては プロフィール を見てね
SONG-27 メンバー第一号
電車でビールを飲みながら、長い列車の旅をした。とりとめもない話をして。
「コイツと何時間も一緒に居て、会話がもつのかな?」
と思っていると、
「いやぁ。ボク、バンドもやっているんですよ」
ガタン、と電車がゆれた───
ふてくされて眠ろうかと思っていたボクに、まさに寝耳に水をかけられたような話をしだした。
「なに!? お前、バンドやっているのかよ?」
ボクは 思わず飛び起きて、ザキの両腕をつかんだ。
「・・・ええ。ビートルズのコピーバンドですけどね。高校の時の同級生たちと組んでるんですよ」
「やっぱり そのパターンか。いいなぁ、オレなんか高校の時は・・・」
急に饒舌になった男を警戒するように、ザキは黙ってしまった。黙って、時折アクセントのような「うなづき」を入れる。
「でね、バンドやってるヤツらにオレの構想を話しても 解ってもらえなくてさぁ。しょうがないから、まず 生バンド付きのロックンロール ミュージカルってのをやろうと思ってるんだ」
「フーン、芝居ですかぁ」
ザキはあまり興味を示さなかった。
「いや、芝居って言ってもねぇ ミスター スリムって知ってるか? ・・・あ、知らない? 実はさ・・・」
アレコレ説明して。
「お前がやるって言うんなら、メンバー第1号ってことで 主役にしてやったっていいんだぜ」
「えっ!? 主役ですか? 主役ねぇ・・・フーン。 面白そうですねぇ、芝居も」
主役っていうのは、軽いノリというか、ジョークで言ったわけ。でも、「目立ちたがり屋さん」は、その言葉にくいついて来た。
「そうそう。面白いよ。オレ、今 金も貯めてるしさ。あとはメンバーさえいれば、公演打てるんだよなぁ」
一気に責めなくちゃいけないよ、こういう時は。女の子くどくみたいにガガッ、と迫った。
「へー、金 貯めてんですか? 今、いくらぐらい持ってんスか?」
「に、に、25万。まだ少ないけど・・・」
本当は一銭も無い、貯金なんか。
2回目にアメリカ渡って全部使い果たしたから、すっからかん。ひまわりの学費も払ってたし。
今、必死で給料から貯金しようと焦ってるとこなのよ、なんてことは死んでも言えないな、と思った。でも、嘘も方便。
今はザキをメンバーに引き入れることが先決。必死だった。メンバー見つからない。もう1年以上探してるのに 未だひとりぼっち。
早いとこ ステージ始めないと、年ばかり取っていっちゃうからね。
ボクがザキをメンバーに引き入れようとしたのは、勿論 ザキを役者にして、 とかってことでもあるんだけど、それよりも何よりも、ザキの持ってる「バンド」が欲しかった。
今は足がかりとして ロックンロール ミュージカルという形をとるけれど、いつまでも芝居の世界にいるわけじゃない。ボクの 「エンターテイメント ロックバンド」構想には バンドメンバーがどうしても必要だった。
「オレが主役やらなきゃいけないって言うんなら、この話 断わる訳にいかないですなぁ、先輩。だって主役が居なかったら、芝居になんないですもんねぇ。オッケーですなぁ、先輩。ハッハッハッハッハ」
夏目漱石の「坊ちゃん」にでも出てきそうなキャラだな、こいつ。そう思いながらも笑顔で握手した。微妙にお互いの目的はズレながらも、協力し合えそうな気がする。
「じゃ、今度 先輩んちに メンバー連れて遊びに行きますよ」
ザキがその気になった。
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