人や物の見分け方
騙されやすい人がいる。いつも簡単に人を信じ、言いくるめられ「いいように利用されて最後は嫌な思いをする」
人を信じるのは悪いことではない。でも、信じる前に 観察しなきゃあね。
この世はいい人ばかりじゃあない。悪い人ばかりでもないけど。弱い人が多い。
弱い人は「自分を守るために嘘をつく。やむを得ず人を騙したりもする」そういうもんだ、世の中は。
表情や言葉は誤魔化せるけど
騙されないように 人の言葉を吟味したり、相手の表情の中に嘘がないかを観察する。
しかし、それでも。騙されることはある。
ボクは、「相手の話や表情はあまり気にしない」
ボクが気にするのは「その人の歴史。何をやってきたか。何を創ってきたか・・・」
行動は裏切らない。行動が正義だ。やってきた歴史を見れば、その人がわかる。
モノもそうだよ。そのモノが、何を与えてきたか。どんなファンを作ってきたか。
行動と歴史が「実力と心意気を知らせてくれる」
でも、詐欺師は「その歴史」さえも改ざんし、それっぽく見せてくるから注意が必要だけどね。Amazonのレビューを見て商品購入の参考にしようとしても「サクラのレビュアーを大量に抱える海外商品もあるからね、注意が必要」
とはいえ。そういう歴史改ざんには気をつけるとしても、人の行動を見れば「本当の姿が見える」というのはだいたい当たっているね。
口先や表情だけでなく、行動を見れば 答えが出ることが多いよ。
そういう実例が、今回のお話。
具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。
ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜
ボクについては プロフィール を見てね
SONG-44 本物の証明
前回、メンバーとのミーティングで「500万あれば 自分たちのライブハウスが持てる」と みんなをそそのかしたボクは、一瞬その場を盛り上げたが「そんなことは不可能だ」という現実の前に苦笑いした。
そもそも 500万円 程度で ライブハウスが作れるわけもない。机上の空論、タワゴトだ。
だから、みんなで空想を話して盛り上がったあと、現実に戻って また平凡な日常を受け入れるしかない。ボクを含めた何人かは そう思っていた。
ところが。
それは空想では終わらなかったんだ。
芝居出身の奴ら、みんなでこっそり話し合って。毎月本当に5万ずつ貯金をしやがった。女のメンバーが4人と男の役者が1人。
半年経ったら、150万が通帳に入ってた。
「こ、これは・・・」
驚愕するボクを楽しむように レイ・ギャングは 、
「どんなもんですか、kaz さん!」
と胸を張った。見せられた通帳に開いた口が塞がらず、
「ウソだろ?」
ボクはうめくように声を出した。
信じられなかった。完全にやられた。まさか本当に金を貯めるなんて・・・
芝居をやっていたとき、同じようにみんなで夢を語った。
でも、実際 金を作ってきたのはボクだった。いつもそう。夢は見る。でも、苦労はしたくない。
彼らに限らず、人間というのは調子のいいものだよ。
でもね、ここに「夢が実現するか、それとも空想のままで終わるかの 大きな壁がある」
夢を掴む者は行動する。空想で終わるヤツは口だけ。ノーガキ言って終わり。
簡単に言えば、この違いだよ。
ボクは、ズーーっと金を作ったり借金を負ったり、トラブった時の処理やめんどくさいことをやってきた。前回は倉本にも助けてもらったけど、他のヤツらは知らんぷり。
だからさ、金を用意するのも 面倒臭いことするのもボクの役目。だってボクしか行動するヤツいないから。
ボクはロックスターになりたい。でも、他のヤツらは口では「成功したい」って言うけど、どうせ人任せだろ? ボクにおんぶに抱っこだろ? 今まで ずっとそうだった。だから。
いつしか そうやって諦めて「自分を守る癖がついてた」
今回だって
「ライブハウスを作りたい」
と言っても、どうせ行動は伴わない。次の日になれば、酒が醒めるみたいに 夢も冷めるんだろ。そう思ってた。まったく期待してなかった。ところが「舐めんなよ」と横っつら叩かれた気分だ。予想外の拳が飛んできて、目から星が飛び出たよ。
そう、まさに ほっぺた叩かれた気分だけど、嫌じゃない。。嬉しい。超嬉しいんだ!
嘘だろ? いや、
コイツら、本物だ。
オレは認める。誰が何と言おうと、コイツらの行動力はスゴい、と。結局、こういう行動力のあるヤツが、夢を実現していく。
「お前ら、すごいよ」
心の底から声が出た。
テクがなくても、経験が少なくても、そんな事は問題じゃない。どれだけピュアで、どれだけ素直で、どれだけ言った事を実現させる行動力があるか。それこそが一番大事な仲間の条件だ。やっとボクは、夢を実現できる仲間に出会えた。
「ライブハウスを作ろうぜ。オレたちも 積み立て参加するぞ」
目の前の通帳 見せられたら、空想が現実に引き寄せられた。他の男のメンバー達も、通帳を覗き込んで笑い出し、その気になった。・・・ とはいえ、金のない連中だ。芝居出身の連中ほどの積み立ては無理だという意見がほとんどだった。
元 役者連中は今まで通り 毎月5万。それに比べて新しく始めるやつらの積み立ては2万円だったり1万円だったり。5千円ってヤツもいたから 金銭的には凄いアンバランスな仕組みのグループだった。
でもさ「夢のために積み立てをするバンド」なんて少ないだろうから 良しとしよう。とにかく このグループは 役者連中のおかげで前向きパワーにあふれてきたんだ。
だから、ここで誰がいくら払ったなんて話はやめておこう。気持ちの問題だ。
とにかくーー
物件をね、不動産屋を廻って探しはじめたんだ。
でも、物件探しは難航した。
まず、音の苦情の問題がある。一般住民が暮らす マンションなどは除外される。もし、そういった場所に店を構えるなら 防音工事を念入りにする。音漏れしないように何百万、何千万と費用が飛んでいくだろう。
高音の「パンパン」という音は比較的 防音対策が楽だ。問題なのは「ベースなどの 低い音」これは、なかなか抑えられない。音は出なくても「ずぅーん」という重たいうねりが振動として伝わる。
これは無意識の「頭痛」の原因になったり生活の居心地の悪さになったりするので 間違いなく苦情がくる。
もし「契約した後に住民運動に発展したら」多額の資金を投入した後で退去命令なんて出たら。考えただけでも恐ろしいので、住居ビルはパスだ。
一方、商業ビルは値段が高い。それに、ステージが作れるほどの広さがない。横のスペースはあっても、天井高が低い。ビルにたくさんの部屋を作ってテナントを入れる関係上、天井が低いところがほとんどだ。
ライブハウスには、照明をつらなきゃいけないから 必然的に天井高がいる。天井を壊してギリギリの梁(はり)を剥き出しにすれば、ある程度の高さを確保できるけど、今度は床と天井が薄くなった分、防音が悪くなる。
そもそも ライブハウスなんて、適当な防音しかしてない所が多いから、隣が倉庫だったり、空き部屋じゃないと苦情リスクが高まる。
そう考えるとね、あちこち探しても「予算」と「防音」の面でいつも壁にぶち当たった。
それでも、「デモノ」に出会うこともある。
新宿の劇団が「練習場所」に使っていた所があって、そこそこ安かったから「そこで決まりかけ、大家に菓子折りを持って行ったんだけど」翌日、断りの連絡が入った。
三越で買ったお菓子だけ取られて終わり。やれやれ。
そんなことばっかりで適当な場所は見つからない。
場所は見つからないけど 毎月、貯金通帳の金額が増えていったんだ。
「おい、200万近くあるよ。どうする?」
「どうしようか? この金額じゃ、やっぱり駄目みたいだな。ライブハウスは」
みんなガッカリした。
「安い所はスペースが狭いんだよな。これじゃあ音楽スタジオぐらいしか作れないじゃん」
「音楽スタジオにしますか?」
「それだったら、時間いくらで借りた方が安いだろ?」
「ウーン・・・」
ひらめきは いつも突然にやって来る。
池袋のスタジオで練習してた時。
「アッ、いいこと考えた!」
ボクは思わず、声を上げた。
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