SONG-61【探していた音楽との出会い】ファンキーなロックンロール

discovering my own originality main-visual タイトル 「SONG-61 ファンキーなロックンロール」 水晶に手をかざす占い師の画像とファンキーミュージックを歌う黒人の画像 テキストメッセージ 「探していた音楽との出会い」
自分「ブランド」の音楽を創る

オリジナリティ

プロを目指すなら、「自分の音楽」個性的な「サウンド」ちょっと音を聴けば

「あっ、この音は誰々が作ったものね」

と すぐにわかる音楽を作り上げなければ ならない。

それは「ジャンル」という単純なものではない。

その人が作れば「ロック」でも「ジャズ」でも「歌謡曲」でもなんでも、その人の個性が表れる強烈な「目印」のことだ。

音楽に限らず「ルイ・ヴィトン」でも「エルメス」「クロムハーツ」でも、1度見れば 触れば 使ってみればわかる。しっくりくる。気に入る人は気に入って「ファン」になり、嫌いな人は距離を置く。そういった個性。言い換えれば

ブランド

を作り上げなければいけない。

以前 吉川晃司 がデビューする時に作られた映画「スカンピン ウォーク」でも 主人公が 自分の音楽を探し求め やっとの思いで「自分の音楽に辿り着き」デビューしていく、というシーンがあったが。

いまいち「どうしてその音楽に辿り着けたか」という部分がピンと来なかった。その部分を表現するのは難しいのかもしれないが、

ボクがそこに辿り着いた 様子を 今回のストーリーで話してみたい。


具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。

ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜

ボクについては プロフィールを見てね

ray-gang ロックンロール・ジーニアス ベーシストのレイギャングが、シャウトしながらベースを弾いているワイルドでかっこいい画像。
目次

SONG-61 ファンキーなロックンロール

シフト

そのヤマハのコンテストに「シフト」ってバンドが出場していた。横浜の大きな楽器店から勝ち上がってきて、エピキュラスで 同じように「代表バンド」となり、「中野サンプラザ」の関東甲信越大会で戦った ライバル だ。

ワイルドな、ロック・バンド。

最初見て 「スゲエ、本物」

カッコいいと思った。

今まで ロックって言ったら、マコト・クレージーのフィルターがかかった「ハードロック」しか知らなくて。

「ロックというのは、こういうもので・・・・」

そうやって教え込まれて来たからね。

確かに マコトの言うロックもカッコいいよ。ボク好きだ。アイツが教えてくれたことは、ボクのロックの基礎になってる。血の中に入り込んでる。

マコトの好きなロックというのは・・ リッチーブラックモアが生み出した ディープパープル、レインボー、そこから派生したり親戚みたいなサウンドの ロニージェームズ・デュオ、オジーオズボーン、ホワイト・スネーク、初期エアロスミス、ジェフベック、ゲイリームーア、グランドファンク。

ツェッペリンはそうでもなくて、マイケルシェンカー、スコーピオンズ、イングウェイは気になるけど認めない素振り。ナイトレンジャー。なのに似ているボンジョビはなぜか嫌い。

という感じだな。

discovering-my-own-originality

ギターを弾きながらポーズをキメる3人のギタリストのシルエット画像。

様式美な音楽の世界に、ボクも随分影響された。それはロックのカッコ良さの1つとして、ボクの身体の奥で 確かに息づいている。

でも心のどこかで、もっと自分にぴったりくるものがあるんじゃないかとも思っていた。探していたんだ、自分の音楽を。

ーーそんな時。

「捜していた物って、もしかして これ?」

落し物を届けてくれたみたいに、シフトが現れたんだ。

deliver the luggage

マコト・クレイジー の教えてくれた ハードロッカー達のサウンドだけでは物足りず、ブルージーなものを求めていたボクは、「オールマン ブラザーズ」や、「レイナード スキナード」なんていう、いわゆるサザンロックにしびれていた。

「ZZトップ」も好きでよく聴いていた。ミーハーに見られるのが嫌で言えなかったけれど。ここだけの話、ボンジョヴィも大好きだ。

でも、それでも。何か足りないっていう違和感は ずっとつきまとって消えることがなかった。

それが 「ファンキー」というキーワードであることを気付かせてくれたのが、シフトなんだよ。

Funky+Rock

シフトのサウンドは、ざっくりしたブルースロックのリフで、ボクの好きな上質のロックンロールの匂いがした。

しかも、オーソドックスな8ビートじゃなく、どこかしらハネてる感じで、「ファンキー」だ。

「ファンキー」っていうと、今 流行ってる女の子のR&Bみたいに軽くなりがちだけど。

彼らのは「重い」ファンキー。それがすごくカッコいい。

プレイには、ドラマとスリリングな「駆け引き」が備わっている。

彼らと出会って、ボクが心の奥の方で求めていた ファンキー というものに気づき、「ドリーム・オン」だけ聴いて 嫌いだと思っていたエアロスミスの価値が変わった。そういう観点で改めて聴き直して 大好きになった。ものすごく吸収したもの。

思えば、シフトの連中と出会ってから ボクの本当の意味での音楽修行、ロックに対する取り組みが変わった。それまでは、エンターテインメントの追求、動きやフォーメーションやルックスのことにばかり熱心だった。もちろん音楽の練習も一生懸命にやってたけど。

取り組み方が変わった。

こう言うサウンドアプローチをする、各楽器の音作りはこうだ、歌い方はこうだ。とね。
今となっては「あたりまえ」の話なんだけど、ミュージシャンは「音で表現する」という原点に気がついた。心の底から。

Sound Making

一流ミュージシャンがなぜにかっこいいのか。ルックス面じゃなく音楽面を真剣に研究し、自分に取り入れることによって それが血となり肉となり、骨となって見せかけじゃないロッカーにボクを育ててくれる。そういう基本中の基本を学んだ上で凄い奴らと勝負する。

ミュージシャンの価値というのは。

ポーンと一発、音を出した瞬間に決まる。

テクじゃないんだ。テクも必要だよ。 でも、もっと必要なのは 

そいつが弾く意味。

なんで「そいつ」じゃなきゃ いけないのか?

たくさんいるプレーヤーの中から、そいつを選ぶ理由、価値。音楽修行をしなきゃ身につかないけど。最も大事なのは、魅力的かどうかってことだ。

sound with presence

技術を上回る魅力があれば、それでもいい。 「へたうま」って言葉もあるくらいだからね。

連中はそういう魅力に充ちあふれていた。

ベースの大谷は、ハーフみたいで すごくルックスがいいの。客席で、女の子がポーッと見とれちゃう。ハンサムなんだ。

しかも甘いルックスとは裏腹に、ズシンとうねるベースを弾くもんだから、そのギャップが魅力を倍増させる。声も太くてワイルドでさ。うまいよ。

ギターの草野ちゃんは、最初見た時、「泉谷しげる」かと思った。そういうルックス。

歌うと、キャロルの ジョニー大倉みたいな、甘い雰囲気。

プレイは思いっ切りよく、ワイルドでシンプル。

音のスキ間を作る名人だよ。前に言っただろ。音のスキマは、うまいプレイヤーじゃないと作れない、って。

彼のギターリフは、ゾクゾクっとオレの感性をわしづかみにした。鳥肌が立つ。

「ジョーペリー」っていうギタリストがいるけど、あんな感じ。

ボクはその後、様々なギタリストとバンドを組んだ。

ロックはギターの良し悪しで決まると思っているから、ボクが選ぶギタリストはみんなうまくてトリッキーだったりワイルドだったりする。聴いた瞬間にぶっ飛ぶようなギタリストじゃなきゃ、一緒にやらない。

草野幸久は そんな連中と比べても頭2つぐらい飛び抜けてる。

草野幸久 ロックギタリストがかっこよく弾いている画像
Funky Rock’N RoLL Guitarist 草野 幸久

あの当時、音楽マニアに ボクがレコーディングした CD 聞かせると、他のギタリストが弾いた曲にはあーだ、こうだ文句つけるんだよね。

でも、草野幸久が弾いた曲には「うーん」と、ただ黙ってうなずく。口うるさい連中も黙らせちゃう、そういうギターだ。だから後に ボクは彼とバンドをやり 当時 ボクが認める最強のメンバーで アルバムを作った。

作曲:草野幸久/Rock’n Roll Kaz  作詞:Rock’n Roll Kaz

草野幸久と作った曲「Fine」このギターが草野だよ。凄いだろ?

一時期ずーっと一緒にバンドやってたんだけど・・・

彼は大手術をしたんだよ。

昔から彼は、ヘッドバンギングをして、激しく首を振りながらギターを弾いてた。それが草野のトレードマークだった。一瞬一瞬、命を刻むように全力でプレイする。

でも今、それがたたって、脊椎がダメージを受け、手が痺れて思うようにギターが弾けない。だから。

一か八かの大手術に賭けた。しかし何年もギターが弾けない状態になり・・・

神様って、時々こういうことをするよね。ベートーヴェンの耳を聞こえなくしたり。草野ちゃんから一番大事な「ギタープレイ」を取り上げて。

その後、ボクも起業して。うちの会社で扱っていた 高機能でスタイリッシュな松葉杖を販売した。

その杖をついて歩いてる時期があったけど、彼は 杖をついても カッコいいわ。やっぱりロッカーだ。杖をついてもサマになる。だから杖をついて ボクの商売の、広告塔みたいになってくれてた。

Rock-and-Roll-Guitarist

で、手術後。一度スタジオに入ったことがあるけど。悲しいぐらい弾けなかった。指が震えて弦が押えられない。思うように動かない。絶望的な顔してたね。心が痛かった。

さらに それから何年かして、彼のライブに行ったけど、最初の1曲、草野ギターが復活してた。すごくいい音出してて、ノッて、嬉しかった。たった1曲だったけど。その後の曲は 気合でかき鳴らしてる状態のものだったけど。1曲、凄いプレイが聴けて満足だった。

彼みたいな天才は、いつか世界中にギターの音を轟かせて欲しい。

素晴らしいプレイヤーは陽の目を見なきゃ。

それから。

シフトのドラマーはイサ。伊佐夫だから「イサ」ね。

以前 話したことがある「ボクが世界中で一番好きなドラマー」が イサ だ。

コイツが ボクが出会ったドラマーの中でベスト。コイツ以上のヤツはいなかった。
だから 彼とも後に バンドをやることになる。

プロを含めて、出会って実際に プレイした中で、ボクの歴代一位のドラマーだ。

ちっこくて ドラムセットの中に隠れちゃうような奴だけど、大きなアクションで叩く。

ドラムセットっていうリングの中で暴れまわる、ボクサーって感じ。

イサ というロックドラマーが叩いているところの画像。
Great Rock Drummer イサ

アフターなリズムのカッコよさを、はじめて知らされた。

うちの歴代ドラマーは、ジャストか ちょっと前のめりの「走った」ドラムを叩くヤツばかりだったから。ほとんどのドラマーは そうだ。

でも、イサは 馬の手綱を引くように。メンバー全員が走っていくのを「どうどう」と言ってたしなめるように。

「もっとワイルドに。落ち着いて行こうぜ。どっしりとしたロックで」

と こっちの勇み足を引き締めてくれる。

一瞬 ためすぎで「もた」ってんのかと思ったんだ。

でも、それがロックなドラムってことなんだよ。アフタービート がどっしりしてるっていうのは、一流のロッカーの証。

イサは海外の有名ドラマーも含め、ボクの中では 5本の指に入る名ドラマーだ。ボクはプロも含め、素晴らしいドラマーとプレイしてきたからいろいろ知ってる。プレイしてないけど憧れる有名ドラマーもいる。

しかし彼らと並べても、遜色ない。
前述の「Fine」もイサが叩いてる。そして、この曲もね。

「Black Beauty, Silver jet Play」
作曲:草野幸久 作詞:Rock’n Roll Kaz Drum:イサ

まぁ、シフトの連中とは「ヤマハのコンテスト」で出会った。戦いの中で「実力とセンスに驚かされ」そして友達になった。こういう友達ってのは最強だよ。才能を認め合ってるから、友情よりも根底に「尊敬」がある。

シフトは「トリオ」バンドだしね。

「トリオ」っていうのは、3人編成の・・究極のバンド構成でしょ?それ以上はけずれない。必要最小限のメンバー。ドラム、ベース、ギター。弾きながら歌う。

3人の音がうねり、からみ合い、とても3人で出してるとは思えない程の 複雑で重厚な音楽になる。

クールだぜ。バンドマンなら、一度はトリオでカッコいい音を出してみたい、と思うんじゃないかな。

ロックンロール + ファンキー

正直に言うとね、あの中野サンプラザのコンテスト。

シフトが優勝してもおかしくなかった。

ボクたちはバンドとして面白かったから優勝したけど、音楽的にはシフトの方が だんぜん上回っていたんだ。

もちろん その時はそんなこと、おくびにも出さなかったけどね。

Clash battle

「オレたちが1番。当然でしょ」

って余裕で。でも・・・・自分が一番わかる。

そのままだったら、つながりはそれで消えてしまったんだけど。

ドラムの イサ がね、コンテストの後 クロコダイルに ボクたちのライブを見に来てくれた。

「いやぁ、ジーニアス見てから 気になっちゃって。俺たちも、あのぐらい頑張らなくっちゃって話し合ったんですよォ」

ってLive の合間の休憩中に イサが言ってくれて。

「いやいや。そっちこそ・・カッコよかったよ。一瞬 負けたかと思ったもん」

とボクが言って。

イサの奴、すごく ボクたちの事 気に入ってくれてね、それから友達になったんだ。お互いのライブに行くようになって。皆でメキシコ料理を食ったりさ。

taco party

こっちも実力では負けたと思ってるから。自分に足りない部分は吸収したいし。酒飲んで 熱く音楽を語り、抱き合って喜び合ったり、意見が違って激しくののしり合ったりとかね。

すごく影響され合っていた時期だ。激戦の中で出会った 深い友達。

「一緒にストリートでやろうぜ」

ボクらの機材を貸してやって。ボクたちが終わるとシフトが始まって、シフトが終わると ボクたち。かわりばんこで歩行天ライブを楽しんだ。たまにセッションしたり、ね。

親友になったんだ。本当の友達って「才能」を認め合える奴だと思う。弱い部分でベタベタくっつくんじゃなくて。

「あいつのカッコ良さに負けないように、オレも成長しよう」

そう思える関係は素敵だね。

後に 彼らと ボクは、一緒にバンドを組んだ。アルバムも作った。最高のメンバーだ。

今は、そんなにしゅっ中 会う訳じゃないけど、会えばいつも刺激になる。

ボクの前に ハッキリと示してくれたんだ。

坂本龍馬が勝海舟と出逢って開眼したように、ボクは完全に覚醒めた。

ボクの求めていた音楽、捜していたものは ファンキーなロックンロール。

そう。

「ファンクン ロール」だったんだ! ってことを。

I got the truth
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