SONG-70【夢や希望を見失った時、考えること】夢の後ろの悪魔

SONG-70-main-visual-the-devil-behind-the-dream タイトル 「SONG-70 夢の後ろの悪魔」 悩んでいる男の背後で、悪魔が笑っている画像。
夢の後ろに潜む恐ろしい魔物

世の中には「楽しい仕事」と「楽しくない仕事」がある。

もちろん、そんな単純じゃないことはわかった上で言っている。

でも、ぼんやり眺めてみると「この仕事やりたくないな」と思う仕事もあれば、多くの人が憧れて、「その仕事に就きたい」と思う職業も やっぱりあるのだ。

しかも不公平なことに、多くの人がやりたがらない仕事は「思ったほど稼げない」

割と稼いでいると思っても、長時間働いて、危険で汚くて、毎日「今日は仕事行きたくない。休んじゃおうか」と思うほど嫌な仕事の割には「それしか貰えないの?」という程度の報酬だったりする。

そしてみんなが憧れる職業は、報酬も高額だ。

職業に貴賎なし、とは言うけれど。実際はそんな キレイゴト で世の中動いてない。どんな仕事をするかで差別はあるし、露骨に態度に出る人も多い。

世の中は不公平だよね。

Is work hard? fun?

じゃあ、「そんな嫌な仕事はしなけりゃいいのに」と思う?

ところがね。

みんな夢を見る。希望に向かって進む。「憧れの、あの人のようになりたい。ああいう仕事に就きたい、と思う。そして行動すれば、高確率で「失敗」する。

「あれ? こんなはずじゃ・・」と思って再びトライ!また失敗。それでもめげずに「悪いところを改善して何度もトライ」

物語や漫画では、そうやって失敗から学び 再挑戦して大成功! 栄光を掴む。大金持ち・・・

と、なるわけでしょ?

現実はどうかーー

成功することもあるよ。金持ちになったヤツもたくさん知ってる。

でもね、頑張ったヤツが全員成功、とはならんのよ。世の中はそんなに甘くないし、神様は優しくない。

challenge and fail ビジネスマンが丸太の橋を渡っている。真ん中あたりに落雷があり、木が折れそうになり、ビジネスマンがバランスを崩し落ちそうになっている画像。

でね、

夢に向かって散々走ってきた。もう引き戻せないところまで来てる。

この道にかけて必死にやってきて。それが間違いだったとは思いたくない。引き返せば、また1から積み上げなきゃならない。新人になって怒られて・・だったらこの道を行く。

そう思って「何度も諦めかけながらも歩いてきた」

それでも努力は報われるどころか、状況は悪くなる一方の時。ハッ、と嫌な考えが頭をよぎる。

「これって、悪魔に導かれてんじゃないの?」

「人がやりたくない仕事って、夢を追いかけてるけど うまくいってない人がやってるんじゃないか?」

だとすれば、自分がそうだ、

Maybe there's a demon behind it?
Maybe there’s a demon behind it?

 人参ぶら下げられて走ってきたけど・・・

「夢」の後ろには悪魔が隠れていて。希望や情熱、成りたい職業 というエサで、人を地獄に誘っているんじゃないのか?

走るだけ走らせて、後戻り出来ない位置まで来た時、悪魔が現われる。

気がつくと、借金や病気や老いや失恋という重荷を背負わされ、茫然と立ち尽くすだけの自分がいるんだ

この頃のボクは そういう恐ろしい観念に囚われていた。

今はどう思っているかと言うと。

修行期間が長ければ、確かに苦しいだろう。やったことが無駄になった人生に感じるかもしれない。

しかし失った時間だけじゃなく、得たものもある。

情熱を注いだ「テクニックや商品、サービス」があるはずだ。それが財産だということを見失ってはいけない。

found a treasure

ぼーっと快楽に身を任せて怠惰に人生を消費したのでなければ、あなたは必ず「何か大きなもの」を手に入れている。見失ってはいけない。長い時間をかけて積み重ねてきたモノ。それがあれば、チャンスは また やってくる!

手に入れたもの。財産ーー

それは目に見える「形あるものばかりとは限らない」

目に見えない「貴重なものを身につけたのかもしれない」人を傷つけたり 傷つけられたりする中で、思いやりや優しさが大事であることに気付いたのなら、それだって立派な財産だ。

だったら。

歳をとったとはいえ、まだ命の時間は残っている。

失った時間や若さを嘆くのではなく、手に入れたものを使って、もう一回やり方を変えてトライしてみよう。

「そういう時間をかけて磨いてきた何か」を使って、挑戦を続ける人に対して「神様は扉を開く」

いつ扉が開くかはわからない。しかし、あなたの望みが世の中の多くの人との幸せにもつながっていて。自分も楽しく人も楽しくなる夢なら、近いうち うまく行くかもね。今度は、うまく行くかもよ。

ボクは、あの時のボクに、そう言ってやりたいんだ。

若いうちの成功ばかりがもてはやされているけど、死ぬまでにチャンスは何度もやってくる。


具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。

ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜

ボクについては プロフィールを見てね

believe and move on 子供が旅行カバンにまたがって空を飛んでいる、 光り輝く空で、未来を指差し希望に満ちて笑っている画像。
目次

SONG-70 夢の後ろの悪魔

茅ヶ崎から東京に戻ってきた。

ふくらんだ借金。しがらみを抱えてね。
「ジャップス」は結局、一枚自主制作のCDを作っただけで解散した。
スタジオ運営のゴタゴタがバンド活動に悪影響を及ぼしたんだ。

「もう、しばらくは音楽に触れたくないんです」

ヤスコ クイーンが抜けていった。


「KAZ WILD」 「ブラック ボックス」 名もなきパーティー・バンドとか・・・
いろいろなバンドを結成しては解散を繰り返す日々。

ついに音楽への情熱を失いかけていた。それは、レイ・ギャングも同じ。
「サティスファクション」っていう歌の歌詞じゃないけど、トライしてもトライしても 何度やっても満足な結果が返ってこない。

I can't get no satisfaction

「ファンクンロール」のサウンドの確立が、まだ甘いせいだ。
隙があるから、客が納得しない。LIVEをやっても昔みたいな客席の反応がないんだ。

「カズさんは もう終わったな」


ジーニアス時代のスタッフにね、言われた。酔った席ではあったけれど、ジーニアス時代には ボクにそんな口 聞く奴はいなかったからさ。ボクも周りの環境も大きく変化してしまったんだ。

対照的に、ジーニアスの 二代目 ドラマーと、速弾き ヒカル が作ったバンドは、ポップなメロディーとハードなアレンジで聞きやすいジャパニーズ ロックに仕上がっていた。「フーちゃん」っていう——————


サザンの桑田と・・・そうねぇ グレイのヴォーカルを足して割ったような声のシンガーを入れて結構ウケていたよ。

フーちゃんも ボクたちと同じ、ヤマハのコンテストで賞をとっていた。1987年だから・・ボクらの1コ前の年、だな。仙台の大学仲間たちと作ったバンドで東北大会の代表になったらしい。うん、いい声してる。

Good-Singer

強力な彼のヴォーカルと、ポップなんだけどちょいハードぎみの音作り。
ジーニアスっぽさを継承していたからね、ファンが大分そっちに流れたんだ。

でも、ボクはそういうのは もうやりたくない。それでファンがいなくなるんなら仕方がないと思っていた。

「いつか きっと。オレのファンクンロールで、また客席を熱狂させてみせる」


気持ちはもう新たな挑戦をしていた。

だけど、現実問題としては 追われ追われて消滅していく。
厳しい世界だよ。客にウケないバンドに未来は無いんだ。

Lonesome Travelle

借金はかさむ一方で、音楽につぎ込んだ金で、軽く家一軒ぐらいは買える。それだけの金額を毎月返済していかなければならない。

トラックの運ちゃんになった。ハードだけど稼げるからね。

でも働いて貰った給料のほとんどは、その日のうちに消える。残業を増やして、くたくたになるまでコキ使われて。深夜近くになってから、スタジオに入って練習。
そんな毎日。

寝不足でバイト中に大型トラックに追突した。努力は報われるどころか、状況は悪くなる一方だ。

driver who was rear-ended

「夢」の後ろには悪魔が隠れていて。希望や情熱というエサで、人を地獄に誘っているんじゃないのか?
走るだけ走らせて、後戻り出来ない位置まで来た時、悪魔が現われる。
気がつくと、金や病気や老いや失恋という重荷を背負わされ、茫然と立ち尽くすだけの自分がいるんだ。

「才能ないのかな・・・・・」


つぶやいてみる。

アメリカンスクールでイベント仕事 に呼ばれて演奏をしていた時。
規律のきびしいミッション系の学校でさ、チェックがすごかった。

理事長とかが、しょっ中様子を見に来て、アレコレ注文をつけてくる。
向こうはロックンロールバンドのつもりで呼んだんだけど、ロックンロールって 定義が広いでしょ? オールディーズバンドだと思ったら、ハードなサウンドのボク達は、予想外だったみたい。

オールディーズをやれって言うから、チャック ベリーをやったり ソフト目のカバーでお茶を濁していたんだけど。ビートルズの歌詞の中に、ホモ的な表現があるから駄目、なんてカットされて。

「うるせぇなぁ」


と思いながら、我慢してやってた。
そうしたら「フヒューン」。いきなり電源を抜かれたんだ。

「何度言っても、音量下げないから もうおしまい。GET OUT!」

Get out


外を指さされて。


「・・・・・・・」


すごすご帰ってった。

メンバー、帰りながら誰も口をきかないの。末期だね。バンドの末期的症状。

「なんだよ、どこへ行っても嫌われもんかい」


世界中が敵になったような気がしてさ。


「そんなに世の中がいらないって言うんなら、やめてやるぜ」

やがて・・・・・

全ての音楽活動を中止した。

howling wolf

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