SONG-82【引き寄せ の 法則?】 速弾き・ヒカル復活

SONG-82-main-visual-The-shredder-guitarist-is-back-in-the-band-2 The shredder guitarist is back in the band タイトル 「SONG-82 速弾き・ヒカル復活」 激しいアクションでギターを弾くギタリストのシルエット画像が数枚。そこにタイトルと、稲妻が描かれている表紙絵」
本当に必要な人間が、再び 集まる

いつも「ベッタリそばにいる

仲がいい人が「本当に必要な人」かはわからない。

ずっと側にいて、いろいろ話して。なんでも知ってるけど「物足りなさも感じる」

一方、「あまり一緒にいないけど 重要人物」 もいる

そんなに仲良いわけじゃ無いけど「これをやるには あの人と」というような人。

自分に必要な「何かを持っている」人。

自分を成長させてくれる人。

あまり気が合わなくて、距離を取るんだけど 気がつくとまた 一緒に何かをやっている。

実はこういう人が、「あなたの人生に最も必要な運命の人」

いつもベッタリ一緒にいて楽しい人よりも、あなたを向上させ幸運に導く人だったりするのだ。そういう人を大事にせず、気の合う友達とばかりいようとすると、チャンスを失う。

せっかく神様があなたに用意してくれている「運命の人」を粗末にしてはいけない。その人は「成功の扉の鍵を持っているかもしれない」

よく考えれば、それが誰か? 心は知っているはず。


具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。

ドキュメンタル STORY で人生をリセット!
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜

ボクについては プロフィールを見てね

窓辺に座る女性。前を見つめている画像。
テキストメッセージで
「孤独を恐れず」と書いてある。
目次

SONG-82 速弾き・ヒカル復活

話は前後するけど。

ケーシー・ランキン さんが ボクたちのプロデューサーに就任してからすぐ、ボクのギターだけじゃバンドとして弱い、って話になったんだ。これは、ケーシーさんから出た話と言うよりも、ボクたちからの要望ね。

「キツいっスよ。オレのギターだけじゃ。プロの技術なんてないし。もう一人ギタリストが欲しいっす」

とボクが訴えると ケーシー さんは、

「他のメンバーはドウ思ウノ?」

とみんなを見回した。

Have a meeting with our mentor

「まぁ、そりゃあ・・カズさんは シンガーであって、ギタリストではないですからね」

レイ・ギャング が口火を切ると「待ってました!」とばかりに ヤスコ・クイーンが、

「うふふふ。まぁ、頑張ってはいるんですけどね。まだまだ ヘッポコ ギターではありますね」

ムカっとして ヤスコ・クイーンを睨むと、ヤツは おどけて首をすくめた。

A playfully surprised woman

「まぁ、でも。確かに オレは ど素人ギターなんで。これからプロになるには、ちゃんとしたギタリストが必要です」

ボクの言葉に、ケーシー・ランキン さんは、

「フム・・・ジャア、ギタリスト 入レヨウ」

と言った。間髪入れず トミノスケが

「速弾き・ヒカルは? あの人ならうまいし、付き合いも長いしさ」

と言うと、

「えーーっ!」

ヤスコ・クイーンは、あからさまに拒否反応を示した。
レイギャング と目を合わせ、無言で何かを語り合った。首を傾げたり、横に振ったりしている。レイ・ギャングより、とにかく ヤスコ・クイーンの反応が凄かった。

A girl who puffs out her cheeks in anger


「また、トモちゃんを辞めさせたメンバーが揃っちゃう」

「それは・・別に 速弾き・ヒカル だけのせいじゃなくてさ。あの時期のバンド全体の雰囲気の悪さじゃない?」

レイ・ギャングがフェアなジャッジを心掛けると トミノスケも 有能な弁護士のように、

「今度はうまくいくよ。デビューも決まったんだしさ。プロになれるんだ。バンドもまとまらなきゃ」

と 法廷で熱弁をふるった。

それでも ヤスコ・クイーンは、

「でも、トモちゃんが」

と顔をしかめた。

トモコ・チビ太と仲の良かったヤスコ・クイーンは、昔の記憶が蘇って感情がコントロール出来ないようだった。

She can't control her emotions

「ヒカル・ギター ハ 良インジャナイ? 彼ナラ、今ノ バンドノ穴ヲ 埋メテ クレルヨ」

ケーシー・ランキン 氏の言葉に、

「えっ? ・・ああ」

「そうですよね」

と レイ・ギャング も ボクも言った。

尊敬するプロデューサーに言われたことで、一気に流れが変わった。

「え?」

と 混乱しながら ヤスコ・クイーンも、じゃあ、って自分を納得させるように何度もうなずいた。

「でも、ヒカル・ギター やるかな? あいつだって、ジーニアスではいろいろあったし、どう思ってるか・・」

ボクが不安を口にすると トミノスケが

「俺が説得してみるよ。俺が言えば、多分あの人 やってくれるから」

と 自身ありげに言った。

A woman who reluctantly agrees

で、次の週に トミノスケ が 速弾き・ヒカル を連れてスタジオにやって来たんだ。

少しはにかんだ様子の 速弾き・ヒカル。ボクたちメンバーも、最初はぎこちなかった。お互い 腫れ物に触るようなギクシャクした会話だった。

でもね、ミュージシャンは音出せば 1発で分かり合える。

こいつは気が合うか、バンドに必要な音なのか。今の調子は元気なのか、悩んでるのか。解っちゃうんだよねー。

「凄い!やっぱり ヒカル・ギター うまいわ」

レイ・ギャング が言うと ヤスコ・クイーンも、

「うん、うん。」

と楽しそうに頷いてるから ボクは癪に触って

「おい! お前ら、オレのギターと比較して、今しみじみと言ったろ!!」

とボクが言うと その声の大きさに驚いた レイ・ギャングは、

「いや、そういう訳じゃなくて単純にうまいなと」

と恐縮して言った。

Bandmates who hit it off

反対に ヤスコ・クイーン はニヤニヤしながら

「確かにねー。カズさんのギターじゃ物足りなかった部分がすごくカバーされてる。ピカピカの、輝く 光るギターフレーズダァ!」

と晴れやかに言った。

ヤスコ・クイーンの言うことは、いちいちカチンとくるけど、その通りだった。ボクのギターは、控えめに言っても ド下手。アマチュアの中でも さらに「へっぽこ」だ。言い返すのも大人気ない。

しかし この時期、シンガーとしてのボクは、すごく成長していた。自分の歌の幅と深みに自信を持ち始めていたからね。「ギターでプロは無理でも、歌はアマチュアじゃねーんだよ」と思っていた。同時に速弾きヒカルも、ギターで プロレベルの腕に進化していた。幾つもの修羅場を共に乗り越えてギタリストとして脂が乗って来た。というか磨きがかかっていたんだな。嬉しかった。

「オレたちがやってきたことは正しかった」

口には出さなくても、「あの頃のバンド活動がオレたちをプロとして名乗れるレベルにまで押し上げたんだ」と セッションしながらみんなが確信していた。

Bandmates who hit it off

しのぎを削って、競い合いながら登って行く段階では、どうしたってぶつかる。お互いのイヤな部分が見えて、心底嫌いになったりするんだ。

でも、離れてみて。お互いの良さに気づき、認め合えたら最強。本当の友達って、そうやって出来るものだ。

「やっぱ 速弾きヒカル 連れて来て良かったでしょう?」

と、ニコニコ笑いながら トミノスケは楽しそうに叩いている。

「良かったよー。これで バンドがプロの音になった!」

ヤスコ・クイーン も 久しぶりのレベルの高いセッションを楽しんでいた。

セッションを楽しむバンドマンたち

で、速弾きヒカル がバンドに参加し、

トミノスケ が ドラム。レイ・ギャング がベース。速弾きヒカル が メイン・ギターで、ヤスコ・クイーンが キーボード。

ボク が歌いながらサイド・ギターを弾いたりする立場。

五人編成のバンド。「新生 第二期ジーニアス 」が出来上がったんだ。

Bandmates reconciled and returned

久しぶりに聴く速弾きヒカル の音は、本当に凄かった。
自分でもギターを弾くようになってから、速弾きヒカル のセンスと技術力の高さがよーくわかるようになってたんだ。うわ、すげぇ PLAY したな、今。

ってのがわかるの。
最初出会った頃は ボクも音楽素人だったからわからなかったんだよ、全然。我ながら成長したな、と思う。

それは 速弾きヒカル や トミノスケ も感じていたようで、ボクだけじゃなくレイ・ギャングや、ヤスコ・クイーンに対しても ちゃんと「ミュージシャン」として対等に扱うようになっていた。そして、彼女たちが「芝居出身」であることもプラスに感じて、

「このプレイの時、俺はこっちに動くけど、レイギャン どこにいる?」

なんてパフォーマンスの打ち合わせもするようになっていた。

ストリートで鍛えられた 速弾きヒカル のパフォーマンスは、ステージ上でも派手で楽しくて、昔を知っている ボクとしちゃあ別人に思えた。

速弾きヒカル も、みんなも ボクも。

よくここまで成長したよなぁ。お互いがそう思えて、認め合えて楽しい時期だったね。この頃。

live tour
ライブツアーのバスの中で、曲作りをする kaz と 速弾きヒカル

ただ、マコト・クレイジーがいない。それは大きな魅力の損失でもあった。

もちろんこの時期、ボクはマコト・クレイジーと決裂して、お互いに もう顔も見たくない、と思ってた。冗談じゃない、マコト・クレイジーなんか必要ない。

理性がそう思ってるんだけど、今振り返ってみると心の奥は、マコト・クレイジーのギターを求めていた。もう1本、マコト・クレイジーのギターがあれば最強!

ヤツの弾くフレーズ。鋭く重い、ジャブのようなカッティング。

何よりも ワクワクする「リフ」を ボクは求めていた。

「こんな感じのリフでさぁ」って ボクがイメージする音の要求を、超カッちょいい フレーズに仕上げて来るからさ。やっぱ天才なのよ、マコト・クレイジーも。

A man leaning on a box speaker and playing the guitar
ロックンロール・ジーニアス Macot Crazy

エアロスミス だって、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーはいがみ合って喧嘩して決裂したりバンドを飛び出しても。やっぱりまた同じグループで音を出してるじゃん。ああ・・今はまた別れちゃったけどね(苦笑 

とにかく!

そう言うお互いに求める音を持ってる者同士は、惹かれ合うのがバンドマンなんだ。そう言う運命を感じる音を出す連中は、少ないからね。

ヒカル・ギターは艶やかな音で装飾する。ブラッド・ウィットフォード みたいな存在なの。うまい。なんでもこなす。

でも、もう一人。激しい個性のジョー・ペリーだって必要なのよ。

band-manbaner 革ジャンを着てタバコをふかすレスポール・ギタープレイヤー。彼は不適な笑みを浮かべながら、相棒の気弱なもう1人のギタリストの肩に手をかけ何かを話している。気弱なギタリストも腕前は超一流で、オドオドしながらも最高のプレイを披露している、という表現のイラスト画像。 テキストメッセージで 」80'sドキュメンタリー ライナーノーツ BAND-MAN STORY」 と書いてある。

例えば、

瞳の中の恋

って曲を ボクが作って。

「これはね、リズムがひっくり返る プログレッシブ的なアレンジで、リフは・・そう! ヴァン・ヘイレン みたいなの!」

って 速弾きヒカル に伝えるでしょ。すると、まんま。

思いっきり ヴァン・ヘイレン とか デイヴ・リー・ロスばりの、というか・・まんま そのままのリフを弾き出すのよ。

いやいやいや。

それだと著作権の問題で発売出来んだろ!

ってツッコミを入れたくなる。

comedian

真面目な性格で、言われたことをそのまま再現できちゃうのが 速弾きヒカル の良いところでもあり、残念なところでもある。

マコト・クレイジーだったら、こっちの予測を遥かに超えて来るカットびギターフレーズを弾くんだろうに・・・

<瞳の中の恋>原案
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