ポジティブ・シンキング の嘘、ホント
呪文のように「明るい言葉を唱えてりゃ、いつか成功する」
という間違った教えを流布する者がいる。
もちろん「明るく積極的に」考えるのはいいことだ。暗く塞ぎ込んでいるよりはるかに良いアイデアが出てくる。
が、明るく「考えているだけ」では状況は良くならない。断言する。
行動こそ、正義。行動しなけりゃ始まらない
失敗した時、原因を分析し「改善計画を立てる」から明るい未来が、希望が芽生える。
そして、その計画に沿って行動するから状況が良くなる。
計画の途中では 眉間に皺が寄るぐらい悩んだり落ち込んだりもするものだ。
しかし「悩むことさえ悪いこと」のように言ったり、失敗しても気にせず「とにかく笑っていろ」と言う人の意見には注意したほうがいい。そういうこと言う人に限って「陰で人の悪口を言ったり、自分に甘く他人に厳しい人が多い」から。見てきたよ、そういう「エセ・ポジティブ思考」の人をいっぱい。
言ってることとやってる事が全然違って、意地悪だったりするね。
人のことは、とやかく言わなくて良いのよ。
ほっとけよ。自分の行動に集中しろ！
大事なことは「自分が危機に陥ったとき」苦しんだり悩んだり眉間に皺を寄せてもいいさ。
でも「きっと良くなる」と信じて 涙の中から立ち上がり 再生計画に向けて歩き出したとき、「大丈夫だ。やれるぞ。もう一回やってみよう」と苦い思いを噛み締めながらも「笑顔になろうとする」半笑いでも行動するうちに ちょっとずつ余裕が出て笑えるようになり、歩く度に「大きく希望が膨らんでくる」
そうなるように 行動をすること。
これこそが 本当の、「本物のポジティブ・シンキング」だ。悩んで良いんだよ、苦しんでのたうち回って良いんだ。「笑顔でいろ」なんて言うヤツ、無視していい。笑顔になれない時だってあるよ。落ち込んで暗くなって世間を恨んで泣いたっていい。
でも、とことん落ちたら「自分を信じてもう一度やってみるんだ」ちょっとずつ笑顔になれるように行動するんだ。
具体的なストーリーで考えるヒントをつかもう。
ドキュメンタル STORY で人生をリセット！
〜机上の空論じゃ現状を変えられない。実例からヒントを得よう〜
ボクについては プロフィールを見てね
SONG-87 見ざる・言わざる・聞かざる
あの頃 流行っていた ポジティブ思考の正体
鹿児島、九州ツアーの前あたりから ボクとスタッフの「温度差」が広がってきた。
連中は、とにかく「業界寄り」
業界の言うことを聞いてりゃ間違いない、と思ってるわけ。逆らわず、大人しく言うことを聞いとけば そのうち デビューできる、とね。
ボクは、もう「どんどん話が違ってきて、言ったことを実行してくれない」あー、また嘘かよ！ という流れを何度も味わって。こりゃ、マズイ。なんとかしないと デビューそのものが泡のように消える、と物凄い危機感を抱いていたんだ。
だから、事前、事前に対策を立て「これ、いついつまでに するって言ってましたよね？」って、ちゃんと言質（げんち）を取って スケジュール帳に書き込み「既成事実を積み重ねて、いい加減にされないように 外堀を埋める作業」をしているわけ。
すると うちのバンドの スタッフが言うんだ。
「カズさん、そこまでしなくても・・」
「そうそう。そんなことして 社長の気分を害されるよりも、言うこと聞いて向こうに全部任せた方がいいよ」
なんて呑気なことを言う。
「なに言ってんの。すごい適当なことやられてんだよ。ほっといたら すべて無くなっちゃうぞ」
って言っても。
「そんなことないよ。任せとけば うまくやってくれるって」
とお花畑で半分眠っているんだ。
「ここは 気を抜くと魂を抜かれる音楽業界だぞ。いいか、今まで何をされてきたか教えるね」
って いろいろ説明しても。まーったく聞く耳を持たない。
「そんな 悲観的に考えるの 辞めてさ。もっと ポジティブに。楽観的に ものごと考えれば？」
あの当時、世間には「ポジティブ・シンキング」が蔓延っていた。
とにかく暗くならずに。落ち込まずに笑って。ポジティブにしてりゃ何とかなる。地獄は過ぎ去るーー
なんて間違った情報をマスコミが流行らすから、努力しない明るいだけの間抜けが増えたんだ。
アホかと思う。なんでもかんでもポジティブシンキング。
苦境に立たされても、ツイテル、ツイテルって呪文唱えるだけなんて、気持ちわりー。
そりゃあ ボクだって「暗く絶望してちゃ前に進めない」ことぐらいわかってる。ボクは結構 シビアな状況が来ても前向きに出口を探す方だ。でもね、あの当時の「ポジティブ思考」ときたら・・・
じゃあ整理しよう。
問題が起きたら、まず分析だ。
何が悪かったのか？
良かった事はないのか？ 良い部分を伸ばして、悪かったところを改善すれば、この苦境から抜け出せるのか？
ちゃんと分析して計画を立て、行動する。行動しなければ何も変わらない。
ツイテル、大丈夫、なんてのんきに検討違いのポジティブシンキングをしてたって地獄からは抜け出せないよ。当たり前だろ？
悪いとこから抜け出そうとしたら、悩み、もがいている過程では「しかめっつら」になったり暗くなる事だってあるよ。真剣に考えてるんだから。ヘラヘラ笑ってたらバカ、って思う。
なのにさ、あの時期。
ボクらのスタッフも世間も、みんな。意味のないポジティブシンキング。悩むことは悪い事、みたいな風潮に流されて。気持ち悪いったらありゃしない。
朝、事務所に行くと ケーシー・ランキン さんがいて。
「あれ、ケーシーさん どうしたんですか？ 今日 打ち合わせの日じゃないですよね？」
「ウン・・チョット kaz タチノ様子見ニ来テ。デビューが延期サレテ イライラ シテルカナ、ト 思ッテサ」
そんな事が何度もあった。
よくよく聞いてみりゃ、スタッフが呼んだんだ。ケーシーさんを。
なんのことはない。ボクが業界人を全く信用しなくなって、いろいろ対策を立て始めていたら。もっと業界を信じて、彼らに全て任せて。大船に乗った気持ちでいろ、ってケーシーさんから説得してもらおうとスタッフが呼んだんだよ。
今じゃ、もうケーシーさんの言うことぐらいしかボクは聞かない、と思われたみたいでさ。
あの ケーシー・ランキン さんを そんな気軽に呼ぶなっての！
忙しい人なんだから。雑に扱うなよ。スタッフには 注意したんだけどね、わかってもらえない。全然もう 考え方が違ってきた。
「業界の人がこう言ってんだから 信じたらどうですか？」
って言うから、
「じゃあ今回は、オレは何もしない。そっちの言う通りにするよ。 信じて任せてみよう。それで連中が約束守るか 様子 見てみようぜ」
ってボクが言って。その日を待つ。
案の定 約束は守られず。
「ほらな。言った通りだったろう？ こうなるから 目を光らせとかないと怖いんだ」
と言っても、
「今回は たまたまですよ。先方も スケジュールが合わなかった、申し訳ないって謝ってくれてるし」
「・・・・」
すべて こんな調子。
謝ればいいのか？ 嘘ついても。実験して、結果が解ってもまだ「盲目的なポジティブ・シンキング」しようとする。
地球は丸くて回ってるんだよ！！ 地球を中心に回ってるんじゃなくて、太陽の周りを回ってるんだ！
何度言っても、説明しても。ダメだ。「そんな悲観的に考えないで」って笑顔で言われる。頭おかしくなりそうだ。
約束が守られる時は、ボクがキッチリ「予定を向こうに提示させて」何度も何度も確認をとり、向こうがスッポカスとやばい相手もその席に呼んで。絶対に変更できないように管理してる時だけ。
これを怠った時の約束はすべて反故にされる。
なのに うちのスタッフは怒らない。丸め込まれて納得する。実験結果を見せても、ダメ。相手の不誠実さを証明しても「今回はたまたま不可抗力で」となる。人間って、見たくないものは目に入らないのかなぁ？
最近の日本国民のようじゃないか。税金上げられても、ひどい癒着政治やられても。生活がどんどん苦しくなっても怒らない。従順な羊のように目覚めない。そんな政治家を取り替えるための 選挙にも行かない。
「どーせ、自分１人行ったって変わらないから」
変わるよ！ ちゃんと気づいて選挙に行けば変わるんだ。そういう人がどんどん選挙に行けば、組織票で通って「好き勝手してる」政治家を取り替えられるのにさ。自分１人行っても・・って行動しないから。自分からやらないから。人に任せてばっかりいるから。何も変わらないんだよ！
思ってるだけじゃダメなんだ！ 前向きな言葉だけ言って、何も行動しなけりゃ「愚痴言って酒飲んで寝てるヤツ」と何も変わりゃしないんだよ！！
盲目的な信仰。偉い人が言ってるから。有名なプロダクションの社長が言うんだから、間違いない。
根拠なく信じる。簡単に騙される。でも、騙されたとも思ってない。今回はたまたま・・・
でも、さんざっぱら裏切られて「夢をズタズタにされて叶わなかった時、どうするか？」
簡単だよ。他人のせいにする。騙された自分は悪くない。
「カズさんが 業界に全部任せず、信用しないからだ」
と言われて驚いた。
いやいや。スタッフの言う通りにしたから騙されたんだろ？「向こうに全部任せて言いなり」になったことは一つも形になってないじゃないか。実現したことはボクが お膳立てしたことだけだよ。
騙されても 適当やられても 変に「前向きで」「悪いことは考えない」ポジティブ・シンキング とかいう変な宗教・・
言い方を変えれば「問題が見えていても」見ざる言わざる聞かざる で、何も対策を講じない。
その挙げ句、自分の「思った方向に進まなかったり」夢が叶わなければ「カズが悪い。あいつが業界を信じず、全部任せないから悪いんだ」
と 他人のせいにする。自分たちが お花畑で蝶々と遊んでいるだけで「行動しなかったから 騙された」とは絶対に認めない。で、最後にはボクが悪者にされる。
前向きな言葉を吐きながら、最後は人のせいにする。これが、あの頃 流行っていた「前向き思考」の正体 だ。
間違ったポジティブシンキングでは 人は 絶対に幸せになれない。
問題が起きたら、まず分析、改善計画を練り、行動。
その中で、なるべく暗くならず、明るく元気にやればイイね、ってのが本当のポジティブシンキングだ。
願って、笑ってるだけじゃ「何も起きねーんだよ！」
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